前立腺がんと男性ホルモン
生まれた時、前立腺は非常に小さな臓器ですが、思春期には男性ホルモンのはたらきによって栗と同じぐらいの大きさにまで成長します。思春期以降は、前立腺の大きさはほぼ変化しませんが、何らかの理由で男性ホルモンの量が極度に低下してしまうと、前立腺は小さく縮んだ状態になります。前立腺が正常な大きさを保つためには、男性ホルモン(アンドロゲン)が必要ということになります。
前立腺がんは、この男性ホルモンによって成長、増殖することが知られています。男性ホルモンは主に精巣で作られ(そのほか、副腎、前立腺がん組織でも作られる)、血液によって運ばれて前立腺がんに届きます。前立腺がんには「アンドロゲン(男性ホルモン)受容体」という男性ホルモンの受け皿があり、この受容体が男性ホルモンを受け取ると、がん細胞が成長、増殖します(図3)。
図3 前立腺がんと男性ホルモン(アンドロゲン)

