スクリーニング検査
代表的なスクリーニング検査はPSA検査(血液検査)で、前立腺がん検診で広く行われています。PSA(前立腺特異抗原)は前立腺で作られるたんぱく質で、通常は血液中には存在しませんが、がんや炎症がある場合に血液中に漏れ出てきます。PSAの値が高いほど前立腺がんの可能性は高くなりますが、前立腺肥大症や前立腺炎でも高値になることがあるため、PSA値が高いからといって必ずしも前立腺がんであるとは限りません。また、PSA値は年齢とともに上昇するため、年齢ごとに基準値が決められています(表1)。
表1 PSA基準値(年齢別)
年齢 | PSA基準値 | ![]() |
基準値を超える場合は、
その他のスクリーニング検査や 前立腺生検を実施 |
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50~64歳 | 3.0 ng/mL以下 | ||
65~69歳 | 3.5 ng/mL以下 | ||
70歳以上 | 4.0 ng/mL以下 |
- 前立腺がん検診ガイドライン 2018年版, メディカルレビュー社, 2018. を参考に作成
通常は4.0 ng/mL以上か、または上記の年齢別の基準値を上回る場合に異常値と判断され、再度PSA検査を行ったり精密検査が行われます。
その他のスクリーニング検査として、直腸診(肛門から指を入れて前立腺の状態を触って確認する方法)や経直腸エコー(経直腸的超音波検査)などがあります。