放射線療法
放射線療法は手術療法と同じように完治を目指した治療法で、放射線をがんに当てて、がん細胞にダメージを与えて死滅させます。また、転移したがんによる痛みを取り除くことを目的として行われることもあります。
放射線療法には、大きく分けて、放射線を体の外側から当てる「外照射」と、前立腺内に線源を入れて体の内側から放射線を当てる「組織内照射」の2種類があります。前立腺がん治療でよく用いられる放射線には、X線、粒子線(陽子線、重粒子線)、放射性同位元素などがあります。
① 外照射
外照射では、専用の治療装置を使って、がんの周囲にある正常な組織にできるだけ影響が及ばないように配慮しながら体の外側から前立腺がんに向けて放射線を当てます。X線のほか、重粒子線や陽子線など、特殊な粒子線が使われることもあります。
② 組織内照射
組織内照射では、「永久挿入密封小線源療法」が広く行われています。この治療法は、放射線を放出する線源(放射性同位元素のヨウ素125)を密封した小さなカプセルを前立腺内にいくつか埋め込み、体の内側から前立腺がんに向けて放射線を当てるものです(図2)。
図2 永久挿入密封小線源療法

超音波プローブで前立腺の画像を見ながら会陰部から針を刺入し、その針を通して小さな線源(カプセル)を埋め込んでいきます。