組織学的分類(グリーソンスコア)
組織学的分類は、がん細胞の特徴からがんの悪性度を表した分類のことです。悪性度とは、がん細胞の増殖、転移、再発のしやすさの程度を表したもので、前立腺がんでは「グリーソンスコア」が広く使用されています。グリーソンスコアは、2から10までの9段階で、数字が大きいほど悪性度が高いことを示します。
グリーソンスコアを判定するためには、顕微鏡で前立腺がん細胞の構造パターンを観察します。前立腺がん細胞の構造は一様ではないため、正常な前立腺細胞の構造に近いパターンは1点、悪性度が最も高いパターンは5点として、がん細胞全体を5段階で評価していきます(図)。そして、観察したがん細胞のパターンのうち、占める面積が最も大きいものと2番目に大きいものの2つの点数を合計します。この合計スコアがグリーソンスコアです。前立腺がんはグリーソンスコアに基づき、5つのグレードグループに分けられます(表)。
図 グリーソンスコア

表 グレードグループ分類
グレードグループ | グリーソンスコア | 特徴 |
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- 市川智彦, 鈴木啓悦, 小宮顕 編. 前立腺癌のすべて 第4版, メジカルビュー社, 2019.より引用